ベテランが辞めると、会社の知識も一緒に辞めていく。ゼットリンカー、製造業の社内文書数百件をAIで検索可能にしたRAG構築事例を公開。
本記事はプレニカ編集部が外部の発表情報をもとに解説を加えた編集部記事です
プレニカ編集部
中小製造業の社内文書をAIで検索可能にするRAG構築事例をゼットリンカーが公開。索引分離の設計が特徴。
プレニカ編集部による要約
株式会社ゼットリンカーは、中小製造業の社内文書・資料数百件を対象に、AIによる自然言語検索を可能にしたRAGシステムの構築事例を公開した。対象企業は社名非公開で、マニュアル・手順書・規程類から過去の報告書・議事録・技術文書までが蓄積されていたが、検索手段はファイル名とフォルダ構成に依存していたという。同社は社内文書用と資料検索用の2つのチャットボットを実装し、索引を用途別に分離した設計を採用。導入効果として、情報探索の高速化、知識流出リスクの抑制、教育コスト削減の3点を挙げる。ただし、検索時間の短縮量などの実測値は公表していない。あわせて、社内AIを「作って終わり」にせず現場で使われ続ける状態へ導く「社内ナレッジRAGの構築・精度改善」の考え方を示し、新規構築と既存RAGの立て直しの両方に対応する4ステップの進め方を紹介している。
※ この要約はプレニカ編集部が発表情報をもとに独自に作成したものです。
発表の原文(冒頭より引用)
ベテランの暗黙知を、会社の共有財産に変える 株式会社ゼットリンカー(本社:東京都新宿区、代表取締役:金原 隆利、以下「当社」)は、中小製造業の社内文書・資料 数百件を対象に、AIによる自然言語検索を可能にしたRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)システムの構築事例を公開しました。あわせて、社内AIを「作って終わり」にせず、現場で使われ続ける状態へ導く「社内ナレッジRAGの構築・精度改善」の考え方を示します。 ■ 事例:ファイル名頼りの探し物を、自然言語の質問に置き換える 当社が手がけたのは、社内文書を人力で管理していた中小製造業の企業(社名非公開)向けのRAGシステム構築です。マニュアル・手順書・規程類から過去の報告書・議事録・技術文書まで、数百件に及ぶ文書・資料が蓄積されていましたが、必要な情報を探し当てる手段はファイル名とフォルダ構成に頼っていました。 ・稼働体制:1名(フルスタック) ・技術構成:Next.js(社内ユーザー向けチャットUI)/ OpenAI API(回答生成・意味検索のためのEmbedding生成)/ Mastra(検索→整形→生成のマルチステップワークフロー管理)/ Azure(社内利用前提のセキュリティ要件に合わせたクラウド環境) 実装したのは、数百件規模の社内文書を対象とした、ドキュメント取り込み・チャンク分割・ベクトル化・検索・応答生成の一連のRAGパイプラインです。そのうえで、チャットボットを1つではなく2つ実装しました。 ・社内文書チャットボット … マニュアル・手順書・規程類が対象。「どの規程に書いてあるか」を即座に提示する ・資料検索チャットボット … 過去の報告書・議事録・技術文書が対象。
引用元: https://www.value-press.com/pressrelease/378824 (冒頭のみの引用です。全文は下記リンクからご覧ください)
プレニカ編集部の見解 ※ 事実の報道ではなく編集部の意見・分析です
今回の発表で特徴的なのは、社内文書用と資料検索用で索引を分離した設計だ。マニュアル類のように「どの規程に書いてあるか」を即座に示すことが求められる情報と、過去の経緯を掘り起こすナレッジ資産では、質問の形も返すべき答えの形も異なるという指摘は、RAGの精度問題を考えるうえで示唆に富む。一つの索引に全文書を入れるのではなく、用途に応じて検索体験を最適化するという発想は、現場の実用性を高める有効なアプローチといえる。とはいえ、効果の実測値が公表されておらず、導入効果の大きさは文書量や運用体制によって変わるとの注記もある。また、同社が挙げる精度問題の原因のうち「データの問題」や「運用の問題」は、索引設計だけで解決できるものではなく、継続的な文書整備と更新の仕組みづくりが不可欠だ。今回の事例が特定の企業での一例であることを踏まえ、他社で同様の効果が得られるかは、導入後の運用次第という点に留意する必要がある。
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